【10月30日 AFP】20か国・地域(G20)首脳会議に出席するため伊ローマを訪問している韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は29日、バチカンでローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)と会談し、北朝鮮訪問を再び提案した。聯合(Yonhap)ニュースが報じた。

 文氏は、朝鮮半島(Korean Peninsula)を68年にわたって分断している非武装地帯(DMZ)のフェンスの有刺鉄線で作られた十字架136個の一つを教皇に贈った。

 韓国大統領府(青瓦台、Blue House)によると、文氏は教皇が訪朝すれば「平和への後押し」になると提案。教皇は北朝鮮から招請状が届けば喜んで行くと応じた。

 バチカンによると、教皇と文氏は「韓国と北朝鮮の対話と和解の促進」について話し合った。

 文氏は2018年にも、教皇に訪朝を提案した。

 北朝鮮の首都平壌は20世紀初め、朝鮮半島における布教活動の拠点として多数の教会や活発なキリスト教コミュニティーが存在し、「東洋のエルサレム(Jerusalem of the East)」と呼ばれていた。

 しかし、北朝鮮建国の父で金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長の祖父に当たる故金日成(キム・イルソン、Kim Il Sung)国家主席は、キリスト教を脅威とみなし、信者を処刑したり労働収容所へ収容したりして弾圧した。

 北朝鮮は以降、国内でカトリック団体が援助活動を行うことは認めているが、バチカンと正式な外交関係は結んでいない。(c)AFP