【10月29日 AFP】サッカーのエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手(当時28)が死亡した2019年の小型機墜落事故の裁判で28日、フライトを手配した実業家のデビッド・ヘンダーソン(David Henderson)被告に対し、航空機の安全性を脅かしたとして有罪評決が言い渡された。

 67歳のヘンダーソン被告は、英カーディフ刑事法院(Cardiff Crown Court)の陪審裁判において、10対2の多数決でサラ選手を死に追いやった責任があると判断された。

 アルゼンチン出身のサラ選手は、フランス・リーグ1のナント(FC Nantes)からクラブ史上最高額の移籍金1500万ポンド(約23億5000万円)で、当時イングランド・プレミアリーグのカーディフ・シティ(Cardiff City)への移籍にサインした。

 だが2019年1月21日、新天地へ向かって乗っていた小型機がイギリス海峡(English Channel)で墜落し、操縦士のデビッド・イボットソン(David Ibbotson)さん(当時59)と共に命を落とした。

 ヘンダーソン被告の要請で定期的に操縦していたイボットソンさんは、商業飛行のライセンスと夜間飛行の資格を持っておらず、パイパーマリブ(Piper Malibu)と呼ばれる機体を操縦する免許の有効期限も切れていた。

 同被告はすでに、有効な許可や免許なしに乗客を送り出した別の1件の罪を認めている。裁判官によって保釈が認められ、来月12日に2件の量刑言い渡しのため再び出廷することになっている。

 ヘンダーソン被告は事故機の安全性を脅かした罪により最大で禁錮5年、もう一つの罪で同2年の可能性がある。(c)AFP