【10月28日 AFP】米軍制服組トップのマーク・ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長は27日、中国が地球を周回する極超音速兵器の発射実験を実施したことを初めて認め、旧ソ連が1957年に世界初の人工衛星「スプートニク(Sputnik)」の打ち上げに成功した際の衝撃に近いと述べた。

 スプートニク打ち上げは、米ソ宇宙開発競争のきっかけとなった出来事。ミリー氏はブルームバーグテレビ(Bloomberg TV)に対し「われわれは、極超音速兵器システムの実験という極めて重大な出来事を目撃した。非常に懸念している」と語った。

「スプートニク的な瞬間かどうかはよく分からないが、それにかなり近いと思う」

 ミリー氏は「これは技術的に非常に重要な出来事だ」とし、米軍として注視していると述べた。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は16日、中国が8月に極超音速兵器の発射実験を実施したと報じた。米国防総省はこれまで実験について確認を避けてきた。

 中国が発射実験した極超音速兵器は核弾頭の搭載が可能で、迎撃が非常に難しい。FTによると、中国の極超音速兵器の技術向上は「米国の情報当局を驚かせた」という。(c)AFP