【10月26日 AFP】米ニューヨークで25日、消防士ら市職員数千人が新型コロナウイルスのワクチン接種義務化に抗議するデモを行った。

 デモ参加者の多くは消防士で、「私たちは、緊急通報者にワクチン接種の有無を尋ねるようなことはしない」「昨日はエッセンシャルワーカー、今日は無職」などと書かれたプラカードを手に、ブルックリン橋(Brooklyn Bridge)を渡ってニューヨーク市庁舎まで行進した。

 ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)ニューヨーク市長は先週、警察官や消防士を含むすべての公務員に対し、11月1日までにワクチン接種を受けない場合は無給休暇扱いにすると発表していた。

 陰性証明書の提出は認められない。ただ、医療上もしくは宗教上の理由による接種の免除は認められる。

 ニューヨーク市消防局(FDNY)の統計によると、約1万7000人の消防士のうち、予防接種を受けたのはわずか60%にとどまっており、同市成人の接種率84%を大きく下回っている。

 消防士のジョンさん(35)は、AFPに対し、「ワクチンに反対しているわけではない」と述べ、「ただ、義務化には反対。義務化は自由の侵害だと思う」と続けた。「自身の健康に関する情報を開示する必要があるなどと、誰にも感じてほしくない。私はそのようなことは望まない」

 市長の方針は、義務化の対象範囲を、これまで対象に含まれていなかった市職員を含む16万人に広げるもの。先週の時点で4万6000人が未接種となっていた。10月29日までの接種で、インセンティブとして500ドル(約5万7000円)が追加支給される。(c)AFP