【1月6日 AFP】乾燥したアリを一振り、それともさくさくのコオロギを少し? 今はまだ一般的ではないが、食用昆虫は将来、欧州で人気の食べ物になっているかもしれない。

 昆虫食自体は目新しいことではない。全世界の人口の3分の1は、すでに昆虫を食べている。

 世界全体で約1900種の昆虫が消費されており、タイのバンコクやコンゴ民主共和国のキンシャサでは取引も活発だ。

 昆虫は数が多く、ヘルシーで栄養価も高く、肉や魚の代わりとなりうる食材だ。100グラム当たりに含まれる鉄分は牛肉が6ミリグラムなのに対し、バッタ類は8~20ミリグラム。

 またコオロギは、牛の12分の1の飼料で同量のたんぱく質源となる。

 昆虫の採集には環境面や社会面で利点がある。

- 大半の家畜とは異なり、メタンなどの温室効果ガスの排出が大幅に少ない。
- 飼育のための開墾が必ずしも必要ではない。
- 高度な技術が不要で、少額の投資で済む。このため、土地のない都市部の貧しい地域であっても生産と消費が可能だ。

 昆虫食はもうかるビジネスにもなりうる。メキシコ市では、「メキシコのキャビア」と呼ばれるアリの幼虫が1キロ100ドル(約1万1000円)ほどの値が付くこともある。

 欧州では、すでに昆虫を食材に使う高級レストランも現れている。(c)AFP