■環境保護とファッションをつなぐ

 フランスのファッションブランド「ディオール(Dior)」がジュート製サンダルを発表するなど、ファッション素材としてもジュートの注目度は高まっている。

 英王室を離脱したヘンリー王子(Prince Harry)の妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)もジュート素材のサンダルを履いている姿が見かけられている。結婚式の引き出物はジュート製のバッグ入りだった。

 環境活動家らは、ジュートには経済的にも環境保護のためにも大きな可能性があると主張する。消費者は流行の服を大量生産して短いサイクルで販売する「ファストファッション」に懸念を抱き、使い捨てプラスチックの使用を禁止する国もますます増えている。

 植物としてのジュートは、あらゆる部分を利用できると専門家は説明する。外側の層は繊維に、木のような幹部分は紙パルプに、葉は調理をすれば食用になるという。

 先の工場の幹部らは、政府から資金が投入されれば、ジュートを現代的に再ブランディングして復活させられると望みを抱く。

「ジュートには大きな未来がある。多額の外貨をインドにもたらすことができるのだから、政府はこの産業に力を入れるべきだ」とダス氏は語った。

 映像はジュート工場「メグナ・ジュート・ミルズ」。3月に取材したもの。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA