【10月24日 AFP】フランスの高級ブランドから英王室の結婚式の引き出物まで、プラスチックに代わる素材として黄麻(ジュート)の人気が世界的に高まっている。

 袋・バッグ製品だけをとっても、ジュート製品の市場規模は2024年までに30億ドル(約3400億円)を超えると予想されている。

 インドはこうした消費者の変化に乗じて、停滞しているジュート産業を再興し、ジュートの用途を「ずだ袋」からファッションに広げようとしている。

 ジュートは栽培過程で二酸化炭素(CO2)をよく吸収する上、綿花よりも水など天然資源の使用量が少ないので環境活動家からも支持されている。

 世界のジュートはほぼ全てがインドの西ベンガル(West Bengal)州一帯と隣国バングラデシュで栽培されている。インドが英国の植民地だった時代、ジュートはインド経済の主要産業の一つで、世界中にジュート生地が輸出されていた。

 しかしより安価な合成繊維や、バングラデシュの生産コストの低さと競うことができず、インドのジュート産業は1990年代には下火となっていた。

 インドはジュートを持続可能な未来に適した生地として、今また広めようとしている。政府はあらゆる穀物、および砂糖の20%の梱包(こんぽう)にジュート製の袋の使用を義務付けている。ファッション界ではインドのトップデザイナーたちが、ジュートを取り入れたコレクションを発表している。