【10月18日 AFP】21-22イングランド・プレミアリーグは17日、第8節の試合が行われ、ニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)は2-3でトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に敗れた。サウジアラビアの政府系ファンドを中心とするコンソーシアムによる買収が完了したニューカッスルのオーナーシップの新たな夜明けは、期待外れのスタートになった。

 今季リーグ戦でいまだに勝利を挙げられていないニューカッスルは、降格圏に沈んだままとなっている。

 政府系基金パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)による巨額の資金投入が、ニューカッスルの運命を変えることになると地元では期待が高まっており、同基金のヤセル・ルマイヤン(Yasir al-Rumayyan)総裁は、キックオフ前に5万5000人のファンに紹介されると大歓迎を受けた。

 喜びに満ちた雰囲気の中、ニューカッスルは2分にハビエル・マンキージョ(Javier Manquillo)のクロスからカラム・ウィルソン(Callum Wilson)がヘディングシュートを決めて完璧なスタートを切ると、ルマイヤン氏はクラブの10パーセントの株式を購入した共同オーナーのアマンダ・ステイヴリー(Amanda Staveley)氏とともにスタンドで歓喜の声を上げた。ステイヴリー氏は、今後10年間でマグパイズ(Magpies、ニューカッスルの愛称)をリーグ王者にする野望を語っていた。

 それでも、ニューカッスルの現状と新オーナー陣が目指す方向性との間にある溝は、スタートダッシュを決めた後に露呈し、トッテナムは17分にタンギ・エンドンベレ(Tanguy Ndombele)が同点ゴールを挙げると、22分にはハリー・ケイン(Harry Kane)の今季リーグ戦初ゴールで逆転に成功した。

 その後、ニューカッスルのファンの医療措置が必要となる緊急事態を受けて試合は約20分中断。トッテナムのセルヒオ・レギロン(Sergio Reguilon)とエリック・ダイアー(Eric Dier)が除細動器の必要性を訴え、アンドレ・マリナー(Andre Marriner)主審は、選手たちにピッチから退くよう指示した。

 再開後も試合の流れは変わらず、前半アディショナルタイムにはケインのアシストから孫興民(Heung Min Son、ソン・フンミン)が3点目を奪取。

 ニューカッスルは83分にジョンジョ・シェルビー(Jonjo Shelvey)が退場処分を受け、ピッチ上での悲惨な一日を終えることになった。

 トッテナムは終了間際にダイアーがオウンゴールを献上したがそのまま逃げ切り、4位のブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(Brighton & Hove Albion FC)と勝ち点で並んだ。

 ニューカッスルのオーナー陣は、仕事の手始めにスティーブ・ブルース(Steve Bruce)監督を解任するだろうとの声が多く上がっていた。指導者として通算1000試合目の指揮を執る猶予が与えられた60歳のブルース監督はファンからの人気は低く、トッテナムが優勢に試合を進めていた後半には「ブルースを辞めさせろ」や「朝にはクビだ」といった声がしつこく聞かれた。(c)AFP/Kieran CANNING