【10月11日 AFP】マレーシアは10日、新型コロナウイルスワクチン接種の完了を条件に、11日から移動制限を緩和すると発表した。同国では変異株「デルタ株」の影響により感染者が一時急増したが、ワクチン接種率の上昇で流行が抑えられている。

 マレーシアではここ数か月の間、感染状況の悪化を受けて全国に厳しいロックダウン(都市封鎖)が導入されていた。だが感染者数は減少に転じ、ワクチン接種ペースの加速を受けて規制緩和が進められており、事業を再開、従業員も職場に徐々に戻っている。

 イスマイルサブリ・ヤーコブ(Ismail Sabri Yaakob)首相は10日のテレビ演説で、ワクチン接種が完了した人は国内を自由に移動できる他、特別な許可なしで海外に渡航できると述べた。

 同首相は保健省の集計として、成人のワクチン接種率が90%に達したとする一方、マスク着用などの感染予防策を継続するよう呼び掛けた。

 同国では1月から、州間移動が基本的に禁止されていた。海外渡航も特別な許可がなければみとめられなかった。今後こうした許可は不要となるが、海外からの帰国には引き続き隔離が義務付けられる。

 マレーシアは昨年の新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)当初、国境封鎖などの措置により国内での大流行をほぼ抑えられていた。

 しかし、デルタ株の影響で今年8月には1日当たりの感染者数が連日2万人を超え、死者数は数百人に上った。

 マレーシア(人口約3200万人)の累計感染者数は230万人、死者数は2万7000人を超えている。(c)AFP