【10月6日 AFP】オーストラリアサッカー連盟(Football Australia)は6日、元代表選手から寄せられた女子サッカー界における過去のセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)被害の疑惑について調査を約束すると発表した。

 代表で150試合に出場し、9月に引退した元FWのリサ・デバナ(Lisa De Vanna)氏は、キャリアの初期にさまざまな嫌がらせを日常的に受けていたと明かしている。現在、米ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグNWSL)でも、性的に不適切な行為や虐待の告発が騒動になっており、米国サッカー連盟(USSF)は調査責任者を指名している。

 デバナ氏は豪紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に対して、「セクハラを受けていたかって? イエス。いじめはあった? イエス。仲間外れは? イエス。不安にさせられる何かを目にしたことは? イエス」と話した。

「どこのスポーツ組織でも、どんな環境でも、グルーミング(性的虐待者が性的目的で被害者を手なずけようとすること)があったり、選手が食いものにされたり、プロとしてふさわしくない振る舞いがあったりするたび、気分が悪くなる」

 デバナ氏によると、更衣室のシャワーに呼び出され、チームメートに引き倒されて衣服を着たまま性的な行為をされたことがあったという。当時は10代でどうしたらいいか分からなかったが、「同じことが今もあらゆるレベルで起こっていて、声を上げるべき時だと思った」ため沈黙を破ったと話している。

 デバナ氏を指導していたローズ・ガロファノ(Rose Garofano)氏は、当時の統括団体であるサッカーオーストラリア(Soccer Australia)に相談したところ、問題は内輪で処理すると約束されたと話している。

 別の元選手ラリー・ドブソン(Rhali Dobson)氏も、若手の頃に嫌がらせを受けたと明かし、デーリー・テレグラフに「たくさんのことがひた隠しにされている。私が最初に経験したのはグルーミングだった」と話した。

 2005年から豪サッカーを統括するようになったオーストラリアサッカー連盟は、デバナ氏の具体的な告発内容については把握していないとしながらも、デバナ氏とドブソン氏が正式に苦情を申し立てた場合は、調査を行うと約束している。(c)AFP