【10月3日 AFP】2016年リオデジャネイロ五輪のボクシング男子スーパーヘビー級で銀メダルを獲得したジョー・ジョイス(Joe Joyce、英国)が、自身の出場した同級決勝などで不正が行われていた可能性を指摘する調査報告が出たことを受け、金メダルは自分が受け取るべきだと主張した。

 5年前の決勝で、ジョイスは判定1-2でフランスのトニー・ヨカ(Tony Yoka)に敗れたが、リオではこの試合を含め、物議を醸す判定がいくつかあった。

 そのため現在、国際ボクシング協会(AIBA)の認可を受けたリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)弁護士を中心とする独立チームが、調査の第一段階に乗り出し、金銭や政治的志向を理由とした試合の操作の経緯を調べている。

 ジョイスは自身のSNSで、「トニー・ヨカとの試合に勝ち、金メダルにふさわしかったのは自分だと確信している。しかしあの日、そうした判定は下されず、その時点では自分も判定を受け入れた」と話し、「不正はあったようだし、実際に不正があったとすれば、AIBAと国際オリンピック委員会(IOC)がこのスポーツの尊厳を保ち、自分に金メダルを与えてくれるはずだと信じている」と続けた。

「この後は、顧問弁護士たちと報告について詳しく検討しながら、AIBAとIOCの判断を待つ。不正がまかり通ることは決して許してはならない」

 報告書によれば、ジャッジがたびたび「不純な動機を持った人物の餌食」になり、リオ五輪ではジョイス対ヨカ戦を含め10試合以上で操作が行われた疑いがある。また、五輪予選は実践を通じて不正のやり方を「調整する」舞台になっていたという。

 AIBAのウマル・クレムレフ(Umar Kremlev)現会長は、報告書について「強い決意を持って、ボクサーたちがフェアなファイトをできる環境を整えていく。その決意の証明として、真実を明らかにするための行動を全力で取っていく」と話した。

「今後は報告書を慎重に確認し、正義を実行するのに必要なステップを探る。重要なのは、試合結果に疑いがないことを示せるメカニズムの確立だ」 (c)AFP