■「空からきた悪魔」

 13億人の人口を抱えるインドは、落雷の増加という脅威への対応は急務だ。

 スリバスタバ氏は、雷雨による人的被害の多くは未然に防げるが、避雷針が設置された建物は国内にはほとんどないと指摘する。

 雷の危険性や、雷に遭遇した場合は木の下や開けた場所は避けるといった身を守る方法を知らない人も多い。

 アンベール城塞の事故で20歳の息子を亡くしたモハメッド・シャミム(Mohammed Shamim)さんは「もし雷の怖さを知っていれば…死傷の恐れもあると分かっていれば、絶対に家から息子を出さなかった」と悔やんだ。

「息子はあの日、新品のシャツを着ていて、ただいい写真を撮りたかっただけだ。空から悪魔がやってきて、息子を連れ去ってしまった」 (c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA