【9月28日 AFP】フランスとギリシャは28日、仏製フリゲート艦「ベルアラ(Belharra)」3隻をギリシャが購入するとする覚書に署名した。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領はこれを、欧州連合(EU)の防衛力の増強につながると歓迎した。

 マクロン大統領とギリシャのキリアコス・ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は同日、パリのエリゼ宮(Elysee Palace、大統領府)で会談。

 その後マクロン氏は今回の契約について、地中海における共通の利益を守っていくための、両国のより深い「戦略的パートナーシップ」の一環だと説明。「欧州の戦略的自立に向けた大胆な最初の一歩」になると述べた。

 契約金額の詳細は明らかにされていないが、3隻は2024年以降、ギリシャに引き渡される予定。

 フランスは今月、オーストラリアが潜水艦購入計画を破棄したことで、厳しい痛手を負った。豪はフランスからではなく、米国から原子力潜水艦を購入すると表明。この直後とあって、今回のギリシャとの契約は、フランスから明確なメッセージを発信する機会ともなった。 

 マクロン氏は、この契約が「欧州の安全保障、欧州の戦略的な自立と主権の強化、ひいては国際社会の平和と安全保障にも寄与する」との見方を示した。同氏は以前から、欧州は独自の防衛能力を発展させる必要があり、米国への依存度を下げるべきだと強調していた。

 また同氏は、米豪の動きを受けても、中国が軍事的な影響力の増大を公言するインド太平洋地域におけるフランスの戦略に影響を与えることはないと明言。さらに、地政学的な競争で「欧州人は愚直であり続けてはいけない」と警告した。(c)AFP/Jerome RIVET and Laurence BENHAMOU