【9月28日 AFP】中国各地でこのところ、停電や電力供給制限が相次いでいる。数百万戸が影響を受け、工場の操業も中断を余儀なくされている。

 リサーチデータを提供するブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)によると、ここ数か月の間に、国内総生産(GDP)の66%を担う17の省と地域で何らかの停電措置が発表された。主に重工業事業者が対象だという。

 中国経済の6割近くが石炭火力発電に頼っているが、石炭の供給は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で滞り、厳格な排出量制限の圧力にさらされ、オーストラリアとの貿易摩擦で輸入量も減っている。

 首都北京でも、1回10時間にも及ぶ一連の停電が予定されている。これについて国営メディアは、全国規模の電力不足のためと報じているが、電力大手の国家電網公司(State Grid)は28日、AFPに対し「計画的な保守整備」の一環だと説明した。

 現地メディアの新京報(Beijing News)が公開した動画には、瀋陽(Shenyang)市の幹線道路で、信号や街灯が消え、暗闇の中を多数の車が通行する様子が捉えられていた。

 遼寧(Liaoning)省在住のあるSNSユーザーは「1日に停電が8回、しかも4日連続…あぜんとする」とつづった。

 別のユーザーは、ショッピングモールが通常より早く閉店し、あるコンビニではろうそくを使っているのを見たとして、「まるで北朝鮮に住んでいるようだ」と不満を漏らした。(c)AFP