【5月17日 AFP】温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の達成を競うレースで、ミッシングリンク(失われた環)と見なされている「グリーン水素」。化石燃料を使わずにつくられる「グリーン水素」は、世界中の報道発表や投資計画で盛んに使われるキーワードとなっている。

 とりわけ欧州は、この新しくてまだ高価な燃料を使いこなすことを切望している。中国が牛耳っている太陽光と蓄電の技術で後れを取ったためだ。

 クリーンな水素(燃焼で生成されるのは水蒸気)は、汚染物質を排出している重工業をよみがえらせる可能性がある。

 水素と大気中の酸素を燃料とする燃料電池はまた、電気自動車(EV)の主要課題である長い充電時間も解決する可能性がある。燃料タンクへの水素の充填(じゅうてん)に要する時間は、ガソリンの充填よりほんの少し長いだけなのだ。

 世界の最富裕国は「グリーン水素」の生産に太陽光発電や風力発電を利用するなど、さまざまな戦略を発表している。原子力発電の利用を計画している国もある。