【10月2日 CGTN Japanese】雲南省(Yunnan)の昆明市(Kunming)は標高が2000メートル近くあり、年間を通じて春のような気候に恵まれています。そのために昆明市は花の栽培に適しており、「花の都」とも呼ばれています。市内の斗南村は、かつては小さな村でしたが、1980年代に初めてグラジオラスを栽培したことを皮切りに、30年あまりをかけて、アジア全体を見渡しても最大の「花の街」に生まれ変わりました。

 斗南花卉(かき)市場は、当初は野菜市場を改築した生花類などを扱う市場でしたが、現在では敷地面積が19万666平方メートルに達するフラワーワールド産業パークです。また、古い世代の花農家は市場での対面方式の取引に慣れていましたが、新しい世代の業者はより多くの新しい取引の方法を習得しました。例えばライブ配信やネットオークションを通じての切り花類の販売などで、さまざまな新しい道を切り開いたわけです。

 斗南花卉市場の花卉競売取引センター競売部の陳飛部長は「切り花の競売業務に従事して20年が経ちました。最初は斗南村の小さな花市だったのですが、まずは昆明市全体にとっての花の取引市場に発展しました。さらに現在では、中国全国でもアジア全体でも、花の取引規模がトップの市場です。斗南花卉市場の競売取引量は1日平均400万本を超え、取引金額は650万元(約1114億円)以上に達します。オンライン競売取引は多元化し、迅速化し、さらに利便性が向上したことで、花産業の繁栄を促進しています。中国人の花消費額は増え続けており、現在では1人1日平均の購入は30本に達しました」と紹介しました。

 斗南花卉市場には現在、3000社以上の企業や業者、50社以上の花卉物流企業が入居しており、花栽培、包装、取引、物流、科学技術研究開発、人材育成、草花工業、観光業などの産業チェーンが形成されています。2021年上半期(1〜6月期)には、斗南花卉市場における切り花の取引量が31億本に達したとのことです。

 斗南花卉競売取引センター企画公共事務センターの汪洋部長は、「斗南花卉市場の海外輸出の中では、日本やオランダへの菊とカーネーションの比重が比較的大きいです。日本も花卉大国ですが、斗南花卉市場は2015年に日本の大田市場花き部を抜いてアジア最大の花卉取引市場になりました。中国国内の経済発展と消費の割合の変化を考えれば、切り花の取引量の伸びには今後も大きな潜在性があります」との考えを示しました。

 市場に花を買いに来ていた王さん一家は、日ごろから斗南花卉市場をぶらつくのが好きとのことで、「この今日買ったアフリカ菊の花束は、両親や年配の人に贈るためのものです。年越し時期や祝日だけでなく、普段から互いに花を贈って、生活に彩りを添えています」と笑顔で語ってくれました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News