【9月11日 CGTN Japanese】新型コロナウイルスのパンデミックが続く中、中国人の海外旅行に対する高い期待が保たれており、中でも、2022年北京冬季オリンピックの開催でウインタースポーツ人口の拡大効果が見込まれる中、コロナ収束後、中国から日本を訪問する観光客の急拡大が期待されていることが分かりました。

 2日から北京で開催中の2021年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)に出展した日本政府観光局(JNTO)北京事務所の齊藤敬一郎所長は当放送局のインタビューで、同事務所が7月に中国SNS大手「Wechat」の公式アカウントを通じて実施したアンケートの結果を紹介してくれました。それによりますと、回答を得た2203人の中、海外旅行が再開したら、すぐに海外に行く(26%)、半年以内に行く(26%)、1年以内に行く(24%)と答えた人が合わせて3分の2強の76%に上っています。

 JNTOは中国国際サービス貿易交易会の一環として開かれる「国際ウインタースポーツエキスポ(WWSE)」に、今年で4回目の出展をしました。今年の会場でJNTOのブースは、「北京冬季五輪組織委員会」「チームCHINA」などのブースと並べて設置されていて、雪国をほうふつさせる外観をしています。7日までの開催期間中、18の地方自治体がご当地の観光資源の紹介のほか、中国人KOL(SNSなどでたくさんのフォロワーを有するインフルエンサー)による講演会、クイズ大会、浴衣の着付けやお面の絵付け体験など、来場者が気軽に参加できる豊富な出展内容で、大勢の来場者を引き付けています。また、JNTOがSNSウェイボーの公式アカウントで80万人のフォロワーを有していることを生かし、初めての試みとしてライブ配信も行い、出展の様子を幅広く伝えることに工夫しています。

 齊藤所長は、「2022年の北京冬季五輪の開催をきっかけに、ウインタースポーツに対する関心度が中国でめっきり高まっていると実感している。スポーツだけではなく、雪や温泉など日本の冬の魅力も合わせて味わってほしい」と出展に寄せた期待を話しました。そのうえで、「会場を見て回り、各国の政府観光局のブースの中では、日本の人気が一番高いと確信を得た」と満面の笑みを浮かべました。

 なお、昨年9月、コロナ後に開かれた同交易会には5日間で4万1000人の来場を引き付け、予想外の人数に「確かな手ごたえを感じ、歓迎されたのが印象的だった」と齋藤所長は話しました。

 また、北海道を中心に温泉やスキーリゾートなどを経営する加森観光株式会社のブースでは、1972年札幌冬季五輪の競技場だったサッポロテイネや北海道最大で、北京冬季五輪スキー競技の会場である張家口のスキー場とも交流関係にあるルスツリゾート、道東部最大のサホロリゾートなど傘下の3か所のスキーリゾートを初出展しました。コロナ禍で現場へのスタッフ派遣は実現できませんでしたが、代わりに会場とつないでリモートで質問に対応するシーンがありました。

 同社経営企画部マネジャーの須藤利宗さんは、リモートで当放送局の取材に対し、「北京冬季五輪を境に、中国のスキーとスノーボード人口の急速な増加が見込まれており、日本のスキー産業にとって強い追い風だと認識している。日本のスキー場の集客にも大きく影響するため、中国国内のウインタースポーツの盛り上げにも協力したく、出展を決めた」と話しました。須藤さんの話によりますと、ブースで行ったアンケートの結果、8割の来場者が日本のパウダースノーに興味があることが分かり、「コロナが収束すれば、すぐに北海道へのスキー観光などの爆発的な回復が見込まれるだろう」と楽観しています。

 統計によりますと、世界ではモノの貿易に対し、国際観光などのサービス産業による貿易が、世界の貿易(輸入額)の約20%を占めており、その割合は2030年までに25%にまで上昇すると言われています。それを背景に、中国商務部と北京市人民政府の共同主催による中国国際サービス貿易会は、世界貿易機関(WTO)、国連貿易開発会議(UNCAD)、経済協力開発機構(OECD)などの国際機関を支持団体につけ、2012年から毎年北京で開かれています。今年の交易会には、153の国と地域から1万社余りの企業・団体がオンライン、オフラインの形で出展しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News