■行方不明の高齢者を捜すボランティア団体

 陳さんは、かつては人民解放軍の音楽隊のメンバーで、数種類の伝統的な楽器を演奏していた。体力はあり、数十年前の記憶ははっきりしているが、過去と現在の出来事を混同して語ることがある。

 陳さんの息子は物流会社で多忙な職に就いている。だが、地域に介護施設がないため、陳さんを勤務先の倉庫に連れて行き、自身はフルタイムの仕事をこなしつつ、父親に目を配らなければならない。

 陳さんがいなくなった時、家族は行方不明の高齢者を捜し出すボランティア団体を頼った。

 北京の志援応急救援サービスセンター(Beijing Zhiyuan Emergency Rescue Services Center)の10人以上のボランティアが、最後に陳さんが目撃された場所に駆け付け、手掛かりを得るために街頭の防犯カメラの映像を警察と一緒に何時間もかけて確認した。

 同団体が捜索に協力して家に送り届けたアルツハイマー病患者は、2016年以来、約300人に上るという。

「行方不明になった親を捜す家族の電話が、ほぼ毎日、全国からかかってきます」と蘇学(Su Xiao)代表は説明した。

「とても危ないのは、お年寄りが建設現場跡地にまよい込んで出られなくなったり、露天掘りの穴に落ちたり、悪天候にさらされたりすることです」と話した。(c)AFP/Poornima WEERASEKARA