【9月27日 AFP】ヘディングを制限する成人のサッカーの試合が初めて開催され、「歴史に残る」瞬間になるとして称賛を集めた。

 チャリティー団体のヘッド・フォー・チェンジ(Head for Change)は、サッカーに起因する認知症の問題が深刻化していることにスポットライトを当てるため、イングランド北東部スペニームア(Spennymoor)でこの試合を開催した。

 英グラスゴー大学(University of Glasgow)のウィリー・スチュワート(Willie Stewart)博士の研究によると、サッカー選手が認知症を発症するリスクは一般成人より5倍高いという。

 チャリティーマッチには、チャンピオンシップリーグ(2部)のミドルスブラ(Middlesbrough FC)と6部に相当するナショナルリーグ・ノースのスペニームア・タウンFC(Spennymoor Town FC)の元選手らが出場した。

 このチャリティーマッチで、ヘディングは前半はペナルティーエリア内に限り許可され、後半は完全に禁止されたが、皮肉にも5-5で終わった試合の先制点はヘディングから生まれた。

 ヘッド・フォー・チェンジの共同創設者であるジュディス・ゲーツ(Judith Gates)氏は、「われわれはサッカーの未来がどういう形になるのかについて議論の意識を高めたかった」と話した。

「歴史に残る試合だ。これはより幅広い話し合いの出発点になることを目的としているにすぎない。今こそ行動のときだ。この国と米国の研究から得た証拠は、われわれはもうこれを無視できないということを意味している」

 チャリティーマッチに出場した元ミドルスブラのDFで、現在スペニームア・タウンFCのアシスタントマネジャーを務めるスチュアート・パーナビー(Stuart Parnaby)氏は、研究でいくつも事実が証明されたことにより必然的に懸念は広がったと話した。

「どうサッカーをプレーするかという点では変化に時間を要するだろうが、子どもたちがどれだけヘディングができるかということは変えられる。それはヘディングを排除するという意味ではなくて、例えば試合の日だけヘディングするようにすれば、キャリアにおけるヘディングの量を減らすことができる」 (c)AFP