中国で無糖飲料が爆発的人気 3年間でシェア倍増
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【9月24日 CNS】北京市の中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)期間中に開かれた「中国飲料健康消費フォーラム」で、科信食品・栄養情報交流センター(China Food Information Center)科学技術部の阮光鋒(Ruan Guangfeng)主任は「健康中国 飲料・食品の砂糖削減行動白書」を発表。国内の無糖飲料産業は急成長を遂げており、無糖飲料の市場シェアは3年間でほぼ倍増したと説明した。
2018年に無糖炭酸水をヒットさせ、無糖ブームの火付け役となった元気森林(Yuanqisenlin)の創設者・唐彬森(Tang Binsen)氏もフォーラムに参加。同社の2020年の収入は前年比309ポイント増の27億元(約456億円)に達したと報告した。
元気森林以外の飲料メーカーも無糖飲料に力を入れている。
香港に拠点を持つ太古可口可楽( Swire Coca-Cola Hong Kong)が発表した2021年の上半期報告書によると、売上高は前年同期比28ポイント増の275億5000万香港ドル(約3872億円)で、純利益は55ポイント増の14億7000万香港ドル(約207億円)だった。中国本土事業の収入は25ポイント増の147億7000万香港ドル(約2076億円)に達し、コーヒーと無糖飲料水が売り上げの増長をもたらしたという。
太古可口可楽の蘇薇(Su Wei)社長は「中国本土では砂糖ゼロ・カロリーゼロの商品が成長をリードしている」と説明。同社はこれまでにコーラ飲料やスプライトなどの無糖タイプを販売している。
食品業界のアナリスト朱丹蓬(Zhu Danpeng)氏は「新型コロナウイルスの流行により、消費者の健康管理意識が大幅に高まり、無糖飲料のニーズが爆発的に高まった」と分析。日本など海外に比べて中国の無糖飲料の市場シェアはまだ低いため、さらに伸びる余地があるとみている。
東興証券(Dongxing Securities)のリポートによると、2014年の中国の無糖飲料市場は16億6000万元(約281億円)で市場全体のわずか0.27%にとどまっていたが、2019年には約6倍の98億7000万元(約1669億円)に成長した。
無糖飲料の多くは砂糖の代替品に甘味料のエリスリトールを使用しており、エリスリトールの生産業者も多大な恩恵を受けている。飲料メーカーはこれまで、エリスリトールはコストが高くうま味が低いとして積極的に利用していなかったが、無糖飲料の急成長により需要が一気に高まった。
華安証券(Huaan Securities)のリポートによると、中国国内のエリスリトールの総消費量は2025年に最大16万トンに達する可能性がある。朱丹蓬氏は「無糖飲料市場は今後も急成長し、砂糖代替企業の業績も好調が続くだろう」と話している。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News