■自由主義世界の指導者?

 2016年11月の米大統領選で当選したドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に、メルケル氏は異例の祝賀メッセージを送った。

 メルケル氏はトランプ氏に協力を申し出たが、それは民主主義の価値観に基づく場合だけだと述べた。米政府に対する前代未聞の事前警告だった。メルケル氏は自由主義世界のリーダーたる責任を引き受けようとするかのようだった。

 こうして対立が絶えない4年間が始まった。カナダで行われた先進7か国(G7)首脳会議では両者の間に深い亀裂が見られた。トランプ氏に詰め寄るかのようなメルケル氏の写真からは、トランプ氏が道を踏み外さないよう説得に努めている様子がうかがえる。

 米CNNとのインタビューでこの写真について語ったメルケル氏は「(トランプ)大統領には彼の意見があり、私には私の意見がある。共通点を見いだすことも多い。でもそうでないときには、対話と交渉を続けなければならない」と語った。(c)AFP/Hui Min NEO