【9月2日 AFP】ドイツで1日に行われた旧東ドイツの東部2州の州議会選挙で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢力を伸ばした。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の移民政策と、ベルリンの壁(Berlin Wall)崩壊から30年を経てなお埋まらない旧西ドイツ地域との経済格差に対して向けられた怒りを反映したものとみられている。

 公共テレビの出口調査によると、AfDはザクセン(Saxony)州と首都ベルリンを囲むブランデンブルク(Brandenburg)州の州議会で第2党になる見通しとなった。

 ドイツの公共放送ARDZDFによると、反イスラムの過激派運動「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA、ペギーダ)」発祥の地であるザクセン州では、AfDの得票率は5年前2014年の9.7%から28%へと大幅に伸びた。

 また早い段階の開票予測によると、ブランデンブルク州でのAfDの得票率は2014年選挙の約2倍の24%となる見通しとなった。

 ザクセン州での勝者はメルケル氏のキリスト教民主同盟(CDU)で得票率は33%。ブランデンブルク州では社会民主党(SPD)が勝利し、得票率27%で第1党となった。

 選挙前の世論調査で広く予想されてはいたが、この結果はメルケル氏のCDUとパートナーのSPDからなる脆弱(ぜいじゃく)な連立政権にとって、新たな打撃となった。(c)AFP/Marion PAYET with Frank ZELLER in Berlin