【9月13日 AFP】アフガニスタンの首都カブールの空港内に、犬の訓練センターが仮設された。ここを新しいすみかとし、新たな調教師らから訓練を受けているのは、先月の退避作戦の混乱の中で取り残された犬たちだ。

 置き去りにされた犬の所有者は分かっていないが、多くは空港内の米軍が使用していた区域で見つかった。調教師らによると、中には爆発物の探知訓練を受けていた犬もいるという。

 同空港の警備会社に勤務する調教師のヘワド・アジジ(Hewad Azizi)さんはAFPに対し、最後の米兵らがアフガンを離れるとすぐに「犬を助けに行った」と語った。

 アジジさんは、30頭の犬を発見。うち半数は米軍が占有していた区域、また数頭は、アフガン警察が使用していた区域で見つかった。

 米軍撤退完了から数時間後、動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」は、米軍が爆発物探知犬60頭とその他の使役犬60頭を置き去りにしたと発表。

 PETAは、犬たちが「暑さの中で十分な餌も水もなく、苦しんでいる」として、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領に対し「直ちに行動を起こす」よう訴えていた。これを受けて米国防総省は、軍関係者らが犬を遺棄した事実はないと即座に否定していた。

 犬たちは現在、米軍の航空機や装備が収められていた格納庫に面した、同警備会社内の訓練センターに収容されている。アジジさんと同僚らが餌やりなどの世話をし、訓練を行っている。

 アジジさんは「犬たちの訓練を通してこれまでの任務を調べた」結果、一部が爆発物探知犬と判明したと明かした。犬たちをどう活用していくかが、現在検討されている。犬たちは徐々に再開される同空港内で、近く任務に就く予定。(c)AFP/Mohamad Ali Harissi