■厚労省の反応は?

 厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」は、「イベルメクチンによる治療は標準治療やプラセボ(偽薬)と比較して、軽症患者における全死亡、入院期間、ウイルス消失時間を改善させなかった」としている。

 田村憲久(Norihisa Tamura)厚生労働相は8月4日に行われた衆議院の厚生労働委員会で、イベルメクチンを新型コロナの治療薬として認める施策について議員の一人からの質問に対し、「しっかりエビデンスが確立されていれば、われわれも言いようがあるが」と回答。「いま治験をやっている最中」だとして、治療薬は「診療の手引きにのっとってご使用いただきたい」と主張した。

 国内では、北里大学(Kitasato University)が新型コロナに感染した軽症から中等症の一部の患者を対象に医師主導治験を行い、イベルメクチンの有効性を調べているが、8月23日のNHKの報道によると、参加者は半数程度にとどまっているという。

 一方、医薬品メーカー興和(Kowa)によるイベルメクチンを新型コロナの治療薬に用いる第3相臨床試験のプロトコルが今月公開されている。