■意図的な破壊

 米国は、軍装備をできる限り残さないようにしたと言った。駐留外国軍やアフガン政府軍、そして民間人に対して残忍な攻撃を繰り返してきたタリバンの手に渡さないためだ。

 空港では米軍が大量の航空機や装甲車、さらにはロケット弾攻撃を阻止する防衛システムを無力化あるいは破壊した。

 ハスナイン師は、焼けた残骸に20年に及んだ米軍駐留の象徴を見つつ、この意図的な破壊に怒りをあらわにした。「米国はアフガニスタンを立て直すと言ってやって来た」と指摘する。「だが、これが彼らの本当の姿だ。何も残さなかった」

 それでもタリバンは別な場所で大量の兵器を取得した。さらに、米軍の支援を受けていたアフガン政府軍から装甲車隊などの装備も手に入れた。

 焼け落ちた元CIA基地に立つハスナイン師は、和解のメッセージを口にした。タリバン上層部の受け売りだ。「米国人を殺すために、われわれは戦争をしたのではない」「国を解放し、シャリア(イスラム法)を復活させるためだ」と語った。

 しかし多くのアフガン人は、1996年から2001年まで続いた前タリバン政権下での過酷な支配を決して忘れていない。復権したイスラム強硬派が約束する、より穏健な統治が実現するか否か、判断を保留している。(c)AFP/Emmanuel DUPARCQ