■「すさまじい数の爆発」

 CIAは、アフガン政府の情報機関を訓練したこの基地を自ら破壊した。その様子を、タリバンは近くで見ていたとハスナイン師は明かした。

「われわれは9日から10日ほどそこにいた」と、同師ははっきりした英語で話した。「すさまじい数の爆発が起きた」

「われわれは彼らを止めなかった。空港まで行く最後の車列も襲撃しなかった。上層部の指令に従った」

 ハスナイン師は爆発で開いた穴を指さし、そこは「弾薬庫」だったと言った。がれきとねじ曲がった金属が積み上がっていた。

 米軍がこの弾薬庫を爆破したのは8月27日。大爆発音がカブール市街に響き渡り、首都は恐怖に包まれた。

 その前日には、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の分派とされる国内組織「イスラム国ホラサン(Islamic State KhorasanISIS-K)」が、国外退避しようと空港に集まった群衆を攻撃し、100人以上のアフガン民間人と米兵士13人が死亡していた。

 ハスナイン師がもう一つ指さした別の場所には、ロケット弾が数百発単位で入った木箱が積み重なっていた。

 未使用の弾薬の山もそこかしこにあった。「今でも使える」と彼は言った。

 無傷の建物もあった。ビリヤード台や卓上サッカー、ダーツ、ベルベット張りの肘掛け椅子が並んだ大きなゲーム室。外には「スヌーカー・クラブ(Snooker Club)」の看板が掛かったままだった。

 駐車場には、数十台の焼け焦げた車両の残骸が放置されていた。