【9月13日 AFP】国際原子力機関(IAEA)とイランは12日、イラン核施設に設置された監視カメラなどのデータへのアクセスをめぐり合意した。IAEAのラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長は、合意は外交交渉の可能性をもたらすものだと歓迎した。

 2015年のイラン核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」の立て直しを目指す協議が行き詰まる中、今回の合意は一歩前進といえる。

 イランの首都テヘランを訪れていたグロッシ事務局長は帰路、記者団に対し、合意は「暫定的」と強調しながらも、「喫緊の課題」に対処し、「外交交渉の時間をもたらす」ものだと述べた。

 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権が2018年にJCPOAから離脱して以降、イランもJCPOAの一部規定を履行していない。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領はJCPOA復帰の意向を示しているが、政権としては核合意再建交渉の行き詰まりにいら立ちを募らせている。

 グロッシ事務局長はイラン原子力庁(AEOI)のムハンマド・エスラミ(Mohammad Eslami)長官との共同声明で、「協力と相互信頼の精神」をたたえた。一方で、核施設の監視は「優れて技術的に」扱われるべき問題だと言及した。

 今回の合意は、イランがIAEAによる同国核施設の監視能力に課した制限に関するもの。

 IAEAはイラン国内の各種核関連施設にカメラなどの監視装置を設置したが、イランはリアルタイムの監視データの提供を拒否している。(c)AFP/Jastinder KHERA with Ahmad PARHIZI in Tehran