【9月13日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)は12日、男子シングルス決勝が行われ、大会第2シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)が6-4、6-4、6-4のストレートで第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に勝利し、自身初の四大大会(グランドスラム)優勝を果たした。

 2019年大会で準優勝しているメドベージェフは、今年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2021)決勝でも当たったジョコビッチとの再戦を制し、グランドスラム1勝目を挙げた。

 ロシアの男子選手としては、1996年の全仏オープン(French Open)と1999年の全豪オープンで優勝したエフゲニー・カフェルニコフ(Yevgeny Kafelnikov)氏、2000年の全米と2005年の全豪で優勝したマラト・サフィン(Marat Safin)氏に続いて3人目のグランドスラム王者となった。

 一方、1969年のロッド・レーバー(Rod Laver)氏以来52年ぶりとなる年間グランドスラムを狙っていたジョコビッチは、83歳のレーバー氏がスタンドから見つめる前で最後のハードルを突破できなかった。全米オープン4勝目と、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を上回るグランドスラム最多21勝目もお預けとなった。

 メドベージェフは「ファンの皆さんとノバクには済まなく思う。みんな彼が目指していたものは分かっているから」と切り出し、「あなたがキャリアで成し遂げてきたことを考えると、私はあなたが史上最高のテニス選手だと思う」とジョコビッチをたたえた。

 一方、試合後に涙を流したジョコビッチも「おめでとう、ダニール。素晴らしい試合だった。今グランドスラムのタイトルにふさわしい人がいるとすれば、それは君だ」とメドベージェフを祝福し、さらに2セット、2ブレークダウンで負けが濃厚になったときも、自身に大歓声を送った観客に感謝した。

「試合には勝てなかったが、心は喜びに満ちあふれている。自分は最高の幸せ者だ。皆さんのおかげで、コート上で特別な気持ちにさせてもらえた。心を動かされた。ニューヨークでこんなふうに感じるのは初めてだ」 (c)AFP/Jim SLATER