【9月10日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は9日、国内における新型コロナウイルスの流行収束を妨げているとして、ワクチン未接種者を非難した。

 バイデン氏はホワイトハウス(White House)で国民向けのテレビ演説を行い、約1億人を対象とした新たなワクチン接種計画を発表し、「ごく少数派の選挙に選ばれた政治家に支持された、ごく少数派の米国人が、わが国が危機を脱するのを妨げている」と語った。

 また、ワクチンを接種できるにもかかわらず受けない米国人8000万人について、「ワクチン未接種者が病院に詰め掛け、緊急救命室や集中治療室を逼迫(ひっぱく)させ、心臓発作や膵臓(すいぞう)炎、がんなどの患者を受け入れる場所がなくなっている」と述べた。

 新たな接種計画は、従業員数100人以上の企業に対し、すべての従業員がワクチン接種か毎週の検査を受けることを義務付けるもの。ホワイトハウスの推計では、8000万人以上が対象となる。

「これは自由や個人の選択の問題ではなく、自身と周囲の人、一緒に働く人、大切な人、愛する人を守るためのものだ」と、バイデン氏は訴えた。

 さらに、多くの大企業に加え、政権を猛批判しているFOXニュース(Fox News)でさえ、すでに同様の措置を発表していると指摘。「要するに、ワクチンを接種した従業員を、接種していない同僚から守るということだ。全米の企業でワクチンを接種した従業員の割合を増やすことで、新型コロナの感染拡大を抑える」と述べた。

 共和党議員は新たな接種計画について、バイデン政権は権限を逸脱していると批判している。下院共和党は、「まるで独裁国家のようだ」とツイッター(Twitter)の公式アカウントに投稿した。(c)AFP