【9月9日 AFP】中国当局は、ゲーム大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)や網易(ネットイース、NetEase)などに対し、利益重視の姿勢をやめ、「女々しさ」を助長しているとみなされるコンテンツを削除するよう命じた。中国政府は、若者文化やジェンダーの理想、IT大手の影響力に対する指導を強めている。

 中国当局は8日、巨額の利益を生むゲーム市場をけん引するテンセントやネットイースをはじめとするゲーム会社を呼び出し、今後の業界に対する規制強化について伝えた。すでに当局は、未成年のゲームのプレー時間を週3時間までに制限するよう命じている。

 苦境に立たされているゲーム業界への新たな規制の動きを受け、9日のゲーム関連株は急落した。

 国営新華社(Xinhua)通信は8日夜、ゲーム業界に対する最新の規制について、「わいせつで暴力的なコンテンツ、拝金主義や女々しさなどの不健全な傾向を助長するコンテンツは、削除しなければならない」と報じた。規制に従わない企業は罰せられると当局は警告している。

 こうした規制対象について、香港大学(HKU)の宋耕(Geng Song)准教授は、中国の政治階級には派閥を超えて「女々しい男性は肉体的に軟弱で、感情的にもろい」という認識があり、「女性的な」男性には国家を守ることができないとの推論に基づいていると指摘。政治エリート層においては異性愛が唯一のジェンダー規範だとみなされていることが、性的指向やアイデンティティーをめぐる曖昧な表現に対する「不安」につながっていると付け加えた。(c)AFP