【9月10日 CNS】日本の「ガチャガチャ」のように箱の中にランダムに商品が入っており、買ってみるまで何が出てくるか分からない「盲盒(ブラインドボックス、Blind Box)」が大人気となっている中国。最近はブラインドボックスの商品を販売するインターネット上の「中古市場」も盛んになっている。レアバージョンや隠れアイテムは定価の数十倍の値段がつく場合ある。

 人気フィギュア「ファーマー・ボブ」シリーズの一つ「プロポーズ・ボブ」は定価が89元(約1518円)に対し、中古取引プラットフォームでは2000〜5000元(約3万4120円〜8万5300円)で売られている。一方、定価59元(約1000円)のネズミのキャラ「鼠小小(Shuxiaoxiao)」の取引価格は10元(約170円)未満だ。

 中古取引プラットフォーム「潮来潮往」創設者の檀朝懐(Tan Chaohuai)氏は「大半の商品は定価より安く売買されていますが、人気キャラで品質が良い商品は高値で取引されています」と説明する。別の中古取引プラットフォーム「閑魚(Xianyu)」では現在44万人以上の利用者がおり、取引価格が総額1億元(約17億円)を超えた月もあるという。

 ブラインドボックスの人気が高まるにつれ、「依存症」といえる問題も浮上している。上海市に住む24歳の張(Zhang)さんは、月収7000元(約12万円)のうち約3000元(約5万円)をブラインドボックスに費やしている。「隠れバージョンを手に入れるために100個以上買っても、まだ見つからない。ばかげていると思うけどやめられない」と打ち明ける。

 心理カウンセラーの段媛媛(Duan Yuanyuan)さんは「ブラインドボックスは何が出てくるか分からないため、何度も購入してやっと望みの商品を手に入れることができる。この時に脳は大きな興奮を感じる。すると、今度はその興奮を味わいたいがためにブラインドボックスにのめり込んでしまう人もいる」と分析する。

 復旦大学(Fudan University)管理学科経営学部マーケティング学科の徐倩(Xu Qian)准教授も「消費者にとっての手頃な価格とニーズを超えて生活や仕事、勉強に影響を与えるならば、ブラインドボックスは有害なものと見なすことができる」と述べている。(c)CNS-澎湃新聞/JCM/AFPBB News