【2月24日 CNS】日本でおなじみの「ガチャガチャ」の箱入り版といえる盲盒(ブラインドボックス)が、中国で大ブームとなっている。マクドナルド(McDonald's)や上海ディズニーランド(Shanghai Disneyland)、イケア(IKEA)、スターバックス(Starbucks)などもブラインドボックス商品を発売。インターネットでも実店舗でも至るところで盲盒が売られている。

「アートなおもちゃ」として広まったブラインドボックスは、中身は人形のフィギュアが多い。アニメや漫画、映画関連から有名デザイナーによるオリジナルキャラクターまで種類は増え続け、美容、食品、文房具、本、観光など業種を超えて広まっている。今やマーケティングに欠かせない手法となり、「ブラインドボックスの中にすべての物が詰められている」と言えるほどだ。

 統計によると、2019年のブラインドボックス産業の市場規模は74億元(約1200億円)だったが、2021年には100億元(約1630億円)を超えると予想されている。なぜブラインドボックスはこれほど人気があるのか? 「人生はチョコレートの箱のようなものだ。次のチョコは何味かわからない」という映画のセリフがあるが、買ってみるまで何が飛び出してくるか分からないのが盲盒の魅力と言える。宝くじに似たこの戦略が若者を中心に購入意欲を刺激している。

 一大ブームとともに盲盒の悪用も目立ってきている。一部の商品はパッケージだけを新調して新製品のように装ったり、製造日や品質合格証、メーカー名を記載せずに販売したりなど、在庫整理の道具として悪用されている。中国消費者協会は「ブラインドボックスを巡って企業の過剰な販売、虚偽の宣伝、品質が保証できない商品の販売などの問題が起きている」と消費者に注意喚起し、関係者に解決を促している。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News