【9月8日 AFP】メキシコの最高裁判所は7日、人工妊娠中絶の犯罪化を違憲とする判決を、判事の全員一致で下した。人権団体は「歴史的」判決と歓迎している。

 最高裁のアルトゥーロ・サルディバル(Arturo Zaldivar)長官は、「これにより、(女性の)平等、尊厳、権利の完全な行使を求める歴史的な闘争は、また一歩前進した」と言明。「今後は、本裁判所が妥当と判断した事案で中絶する女性を、裁判所や憲法の基準に反することなく訴追することはできなくなる」と述べた。

 保守的なメキシコではこれまで、首都メキシコ市と3州では妊娠12週目までの中絶が合法だった一方、その他の州ではレイプ被害者にのみ中絶が認められていた。

 今回の裁判では、北部コアウイラ(Coahuila)州の刑法の合憲性が問われた。司法関係者によれば、判決はメキシコ全土に適用され、中絶が犯罪とされている州でも裁判所命令があれば中絶手術を受けられるようになる。

 コアウイラ州と国境を接する米テキサス州では最近、妊娠6週目以降の中絶を禁止する法律が施行されている。(c)AFP