【9月6日 AFP】2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)の南米予選は5日、各地で第6節延期分の試合が行われ、ブラジルとアルゼンチンの大一番は、開始直後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のプロトコル違反により中断され、そのまま延期となる前代未聞の事態となった。

 ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)のアレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)で行われた南米の雄同士の一戦は、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の職員がピッチに乱入したため中断。チームスタッフと選手が入り乱れる異様な光景が広がり、アルゼンチンの選手は混沌(こんとん)とする中ロッカールームに下がった。

 異例の介入が起きる数時間前、ANVISAは英国でプレーするアルゼンチンの4選手が新型コロナウイルスのプロトコルに違反したとして「即時隔離」措置が必要だと発表した。

 ANVISAによると、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に所属するジオヴァニ・ロ・チェルソ(Giovani Lo Celso)とクリスティアン・ロメロ(Cristian Romero)、アストン・ビラ(Aston Villa)に所属するエミリアーノ・マルティネス(Emiliano Martinez)とエミリアーノ・ブエンディア(Emiliano Buendia)が入国時に「虚偽の情報」を提出したという。

 この中でロメロ、ロ・チェルソ、マルティネスが先発に名を連ねていたため、ANVISAのシャツを着た職員がピッチに乱入する事態となった。プレミアリーグでプレーする4選手は、入国する14日前に英国にいたことを報告しなかったという。

 新型コロナウイルスの変異株まん延防止のため、ブラジル政府は6月23日から英国、インド、南アフリカからの外国人の入国を禁止している。

 南米サッカー連盟(CONMEBOL)は、試合が「延期」されたと発表しているが、途中から再開されるのか再試合になるのかは明かしておらず、今後の方針はW杯予選を統括する国際サッカー連盟(FIFA)に委ねるとしている。(c)AFP