【9月2日 AFP】米国で今年3月以降、新型コロナウイルスワクチン少なくとも1510万回分が廃棄されていたことが、NBCニュース(NBC News)の報道で明らかになった。

 NBCは開示請求で入手したデータを引用し、1510万回分という数字は従来の想定をはるかに上回っているが、データは薬局や州などのワクチン提供事業者の自己申告に基づいているため、実数はさらに多い可能性があると述べた。

 少なくとも7州と主要連邦機関のデータは含まれていない。

 廃棄される理由は、瓶の割損、希釈ミス、冷凍・冷蔵設備の故障などさまざまだ。

Our World in Data」によると、アフリカ大陸でのワクチン接種完了者の割合は2.8%となっている。

 一方、米国におけるワクチン接種回数は約4億4000万回で、国民の52%が接種を受けた。大勢がワクチン接種をためらうことがなければ、接種回数はさらに多くなっていた可能性がある。

 ワクチンによってできた免疫の効果の低下に基づき、米国では100万人以上が3回目の接種を受けた。政府は今月中に、接種完了者全員が2回目接種から8か月後に3回目を受けられるようにする計画だ。

 英ヨーク大学(York University)のティム・ドーラン(Tim Doran)教授(医療政策)はNBCに対し、「これは公平性の問題だ」と述べた。「十分なワクチンを確保できる非常に裕福な国が、ワクチンを捨てているも同然だ」

 米国はワクチン約6億回分を中低所得国へ寄付すると約束しており、8月上旬までに1億1000万回を提供した。(c)AFP