【8月30日 AFP】30日から開幕する全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の女子シングルスでは、前回女王の大坂なおみ(Naomi Osaka)がここ4年で3回目の大会制覇を狙う。大坂にとっては、今季の四大大会(グランドスラム)2勝目と、このところの騒動の影響を振り払うことを目指す大会にもなる。

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 2018年大会の決勝でスーパースターのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を倒し、一躍脚光を浴びた大坂は、2月にグランドスラム今季初戦の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)を制し、最高のシーズンのスタートを切ったかにみえた。

 ところがその後はなかなか結果が残せず、全仏オープンテニス(French Open 2021)では選手に義務づけられている試合後の会見を拒否して罰金を科されると、会見がメンタルヘルスに悪影響を与えていると話し、大会を途中棄権。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)も欠場し、東京五輪では聖火台への点火という夢の大役を務めたが、競技では3回戦で敗退してメダル獲得を逃した。

 それでも大坂は、3回戦敗退に終わったウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2021)の後には、大きなプレッシャーのかかる全米オープンに向けて、自身のテニスに「かなり満足している」と話している。

 そしてマリー・ボウスコバ(Marie Bouzkova、チェコ)との初戦を翌日に控えた29日には、自身のツイッター(Twitter)を更新し、手に入れた成果を楽しみ、ネガティブな思考を振り払うようにしていきたいと話した。

「最近、どうしてこんな気持ちなんだろうと自問して、心の中で自分に満足できていないことが理由の一つだと気づいた。よくやったと自分に声をかけたことは一度もなく、いつも自分はダメだとか、もっとやれたと言い聞かせていた」

「だけど自分の人生は自分のもので、他人の基準で自分の人生を評価してはいけない。自分がすべてに全力を尽くしていることは分かっている。結果として満足させられなかったら申し訳ない。でも、これ以上そうした期待を自分に背負わせることはできない」

「今、世界で起こっていることを見れば、朝に目を覚ませただけで勝利と感じる」

 昨年は無観客で行われた全米オープンだが、今大会は収容人数2万3771人のアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)にファンが戻ってくる。入場には新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回は接種したと証明する必要があるが、騒々しいニューヨークのファンが再び会場を埋めるとあって、大坂も順応する必要があると感じている。

 30日のアーサー・アッシュ・スタジアムでは、大坂対ボウスコバ戦の他に、男子で世界ランキング2位に立つダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)とリシャール・ガスケ(Richard Gasquet、フランス)の試合や、今季もけがに苦しむ優勝経験者のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が世界3位の強敵ステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)に挑む試合などが組まれている。(c)AFP