【8月28日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の女子シングルスで連覇を目指す大坂なおみ(Naomi Osaka)は27日、再び物議を醸す状況に直面した場合はこれまでと違った対応をするとして、今後は全仏オープン(French Open 2021)での突然の棄権のようなことは繰り返さないと強調した。

 通算4度の四大大会(グランドスラム)制覇を誇り、全米オープンでは自身3度目のタイトル獲得を狙う大坂は、今年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)でメンタルヘルスの問題を理由に報道陣との試合後のインタビューを欠席した。

 これにより罰金を科され、同様の違反を繰り返せばさらに厳格な処分が下る可能性があると警告されると、大坂は大会を棄権し、さらにウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)の出場も辞退。この行動は、世界クラスのアスリートが直面する、メンタル面の問題への認識度を高めた。

 この日は会見場で報道陣と直接言葉を交わす中、23歳の大坂は再び同じような問題が起きたときは前とは違う対応をするだろうと話し、「その場で間違った対応をしたことは何度もあったと感じている」とする一方で、「だけど、自分はそのときに感じたことを言葉にしたり、行動に移したりするタイプの人間でもある。それが必ずしも悪いとは思わない」と主張した。

「改善に向けてたくさん学んだと思っている。もちろん、再び同じようなことは起きないはず。もう少しきちんと考えてみると、おそらくそれがどれほど大事になるか分かっていなかったのだと思う」 

 30日に開幕するグランドスラムの今季最終戦で大会第3シードにつける大坂は、音声やビデオモニター越しではなく直接質問を受けられることを喜んでおり、「直接その人の姿を見ることができるのは、良い気分であるのは間違いない」と語った。

「画面の前でただ座っているのは、本当に戸惑う。かなりナーバスになってしまうのは、それが理由の一つなのかもしれない。だけど、人と直接話せるのは、すごく気分が良い」

 その一方で、大坂はコート外の騒動から距離を置ける聖域としてコートを見ることができるようになったとは思わないといい、「線引きできればいいと思うけれど、自分はそうではない。全てを同じ次元で考えるタイプ」と話すと、「キャリア初期のころは特にそう。私生活で何かうまくいかないことがあると、プレーにも影響していた」と自己分析した。

「一線を引くことができて、ロボットのスーパーマンみたいにコートでテニスだけに集中できれば、本当にクールだと思う」

「だけど私は違う。一度に全てに集中してしまうタイプ。だから、いろいろと混乱してしまうことがある」 (c)AFP