【8月20日 AFP】女子テニス、世界ランキング2位の大坂なおみ(Naomi Osaka)は19日、ウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2021)の女子シングルス3回戦で、ワイルドカード(主催者推薦)のジル・タイシュマン(Jil Teichmann、スイス)戦での逆転負けについて、何の後悔もしていない姿勢を示した。

 大会第2シードとして出場していた大坂は、世界76位のタイシュマンに6-3、3-6、3-6で敗れた。試合後には東京五輪での3回戦敗退が頭をよぎったと認めつつ、「やろうとしていたことを全てやっていた」としながらも、「第2、第3セットは守備的になりすぎていた」と振り返った。

「この試合から、たくさんのことを学んだ。これで夜眠ることができる」

 恐れを感じると話している試合後の記者会見で、大坂は終始沈んだ様子で質問に答えていた一方で、30日に開幕する全米オープン(US Open Tennis Championships 2021)に向けた最後の前哨戦でのこの日の敗戦は、素直に受け入れていた様子だった。

「自分に高い期待を抱いていたけれど、この試合で勝つためにできることは、これ以上は何もなかった」

「負けて自分のゲームをする上での課題が多くできたので、良かったとも思っている。この結果が、全米オープンに生かせることを願っている」

 また、地震に見舞われた父親の故郷ハイチの復興を手助けするための寄付金として、今大会では最低2万4200ドル(約266万円)の賞金を目標にしており、大会関係者によると大坂が受け取るのはちょうどその金額になるという。

 大坂は「(目標の金額に届いて)喜んでいるけれど、もっと勝ち進めず残念」としながらも、「だけど、注目を集められたと思うし、何らかの貢献ができてうれしい」と語った。

 最終セットでの3ゲームを含む計6ゲームのブレークを許し、約2時間でタイシュマンに敗れた大坂は、「少し気後れしていた。普段はそういうふうに感じない」とすると「あまり多くの大会に出場しないと選んだことが、ここまでの自分をつくり出した」と明かした。

 通算4度の四大大会(グランドスラム)制覇を誇る大坂は、メンタルヘルスの問題をめぐって全仏オープン(French Open 2021)を途中棄権し、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)の出場も見送ってから、厳しい道のりが続いている。

 また、東京五輪を終えた後、全米オープンに向けて出場したのはハードコート2試合のみとなっている。

「自分の中で自信が増してきていると感じる」という大坂は、「自分自身に疑いを抱く時期もあった。重要なのは、自分の武器は何か思い起こすこと。第1セットでは、それがうまくいっていたと思う」と語った。(c)AFP