【8月28日 AFP】400年近く前にピューリタン(清教徒)の入植者らによって設立された米国の名門ハーバード大学(Harvard University)のチャプレン(聖職者)主任に無神論者が就任した。

 今週、ハーバード大学チャプレン組織の代表に初の無神論者として選ばれたグレッグ・エプスタイン(Greg Epstein)氏(44)は、「ありがたく、光栄に思っている」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 エプスタイン氏は2005年から、ハーバード大学で人文主義者のチャプレンを務めており、ベストセラーとなった「Good Without God: What a Billion Non-religious People Do Believe(神なき善:10億人の無宗教者が信じるもの)」の著者でもある。

 今後は、キリスト教、ユダヤ教、ヒンズー教、仏教など約20の宗教・信条を代表する40人以上のチャプレンを率いる。

 エプスタイン氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に対し、「どの宗教的伝統にも共感できない人々が増えているが、善良な人間であることや倫理的な生活を送ることの意味についての対話やサポートが必要だと痛感している」と語った。「私たちは、神に答えを求めない。私たち自身が互いの答えだ」

 AFPはエプスタイン氏に取材を申し込んだが、コメントは得られていない。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が2019年に実施した調査によると、米国は依然としてキリスト教徒が多く、回答者の43%がプロテスタント、20%がカトリックだと回答した。一方、26%が自分は無神論者や不可知論者、無宗教だと答えており、2009年の調査の17%より増えている。(c)AFP