【8月28日 AFP】米カリフォルニア州サンフランシスコ近郊の小学校で、新型コロナウイルスワクチン未接種の教師から、教室内の児童12人を含む少なくとも26人に新型ウイルスの感染が広がったことを報告する研究論文が、米疾病対策センター(CDC)により27日、発表された。

 米国では現在、感染力の強い変異株「デルタ株」により感染者が急増する中、学校が新学期を迎えている。CDCは今回の事例から、ワクチン接種可能年齢に満たない子どもを守るためには、教職員の接種が重要であることが浮き彫りとなったと指摘している。

 この教師は5月19日に症状が出たが、アレルギー症状だと考えて出勤を続け、21日まで検査を受けなかった。学校では屋内でのマスク着用が義務付けられていたにもかかわらず、教師は時折マスクをせずに文章を読み上げていた。

 その後、教師が教えた児童24人のうち22人が検査を受け、12人が陽性反応を示した。前から1、2列目に座った児童10人のうち8人が陽性となった。後ろの3列に座った14人では、陽性は4人だった。

 児童は全員が12歳未満で、ワクチン接種の対象外だった。学校では児童のマスク着用が義務付けられており、教室内では机が6フィート(約1.8メートル)間隔で配置され、ドアや窓は開けられ、ホワイトボードの前には高性能微粒子空気(HEPA)フィルターを使用した空気清浄機が設置されていた。

 別の学年の児童6人も検査で陽性となった。遺伝子配列分析からは、全員の感染源が同じで、デルタ株によるものだったことが確認された。さらに児童の保護者やきょうだいの間で8人の感染が判明。感染した保護者4人のうち、3人は既定回数のワクチン接種を終えていた。

 感染者27人中22人(81%)が何らかの症状を発症。入院した人はいなかった。CDCは、検査は任意だったため、実際の感染者はさらに多かった可能性が高いと指摘している。(c)AFP