【8月25日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は24日、欧州選手権(UEFA Euro 2020)の試合中に心停止で倒れたデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセン(Christian Eriksen)の命を救ったDFシモン・キアル(Simon Kjaer)らにUEFA会長賞を授与すると発表した。

 UEFAのアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長は、デンマークのキャプテンを務めるキアルら9人の受賞者を「ユーロ2020における真のヒーロー」と評した。

 デンマーク・コペンハーゲンで行われたフィンランドとのグループステージ初戦で、29歳のエリクセンは前半終了間際に倒れたが、チームメートや医療スタッフのとっさの判断により一命を取り留めた。

 ピッチ上で最初に救護に当たったキアルは、医療スタッフが救命処置を施す中でエリクセンのまわりをチームメートと一緒に囲むなど、「並外れたリーダーシップの資質」を見せた。

 キアルは「一生忘れない出来事だ」と語り、「チーム一丸となって対応した。協力してあの状況を乗り切り、可能な限り助けになろうと最大限の努力をした」と振り返った。

 他の受賞者8人は救護に加わった医療チームのスタッフで、チェフェリン会長は「卓越した対応や冷静さを見せた医師や医療スタッフに最大限の敬意を表す」とたたえた。「クリスティアンの蘇生に不可欠な、象徴的な働きだった」

 エリクセンは数分間にわたって意識を失っていたものの、心臓マッサージと除細動器による電気ショックで助かり、その後ICD(植え込み型除細動器)を装着して退院した。

 所属先のイタリア・セリエAのインテル(Inter Milan)は、エリクセンについて「元気で、肉体的にも精神的にも非常に良い状態」と明かしているが、キャリアを再開できるかどうかなどは不透明なっている。(c)AFP