【8月20日 AFP】アフガニスタンの女性ジャーナリストが、イスラム主義組織タリバン(Taliban)が同国を制圧した後、勤務先のテレビ局での就労を禁止されたと訴える動画をソーシャルメディアに投稿し、助けを求めている。

 国営ラジオ・テレビ・アフガニスタン(RTA)のニュースキャスターで、ジャーナリストとして国内で6年にわたり取材活動をしてきたシャブナム・ダウラン(Shabnam Dawran)さんは、ヒジャブ(イスラム教徒の女性が髪を覆うスカーフ)姿で「私たちの命は脅かされている」と述べた。

 ダウランさんは入館証を見せながら、今週になって勤務先のテレビ局への入館を禁止されたと説明。「体制が変わった後も諦めずに出勤したが、残念ながら入館証を見せても(入館を)許されなかった」と語った。

「男性職員は入館証を持っていればオフィスに入ることができた。でも私は、体制が変わったので職務を続けることはできないと言われた」とダウランさんは続け、「これを聞いている皆さん、世界が私の声に耳を傾けてくれるなら、どうか助けてほしい。私たちの命は脅かされている」と視聴者に訴えた。

 1996~2001年の旧タリバン政権下で、女性は公共の場から排除され、教育を禁じられていた。

 ここ数か月にわたり暗殺事件が相次いでいたが、ここでも女性ジャーナリストがタリバンに標的とされていた。

 タリバンはアフガン制圧後、女性に教育や就労などの権利を認めると発表し、報道の自由と独立性も保障すると主張。タリバン幹部は女性ジャーナリストとの一対一のインタビューで、この点を強調していた。

 アフガニスタン民放トロテレビ(TOLOTV)の24時間ニュースチャンネル「トロニュース(Tolo News)」の編集者、ミラカ・ポパル(Miraqa Popal)さんは18日、ダウランさんの動画をソーシャルメディアで共有した。

 ポパルさんは「タリバンは、トロニュースでの元同僚で国営RTAパシュトゥー語放送の著名キャスターであるシャブナム・ダウランがきょう、仕事するのを許さなかった」とツイートし、広く拡散された。

 ポパルさんは17日、トロテレビの女性ニュースキャスターの写真を添えて「きょう、われわれは女性キャスターの放送を再開した」と投稿していた。(c)AFP