【8月20日 AFP】アフガニスタンで19日、独立記念日に合わせた集会が開かれ、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の政権復帰に反対する人々が国旗を手に抗議の意を示した。同日にはさらに、過去の反タリバン闘争で最も有名な指揮官だった故アフマド・シャー・マスード(Ahmad Shah Massoud)元国防相の息子が、タリバンに対する武装闘争を宣言した。

 首都カブールでは、男女の集団が黒・赤・緑の3色の国旗を掲げた。ソーシャルメディアでは、別の地域で男性が柱によじ登って国旗を掲揚し、群衆が歓声を上げる様子も投稿されている。

 しかしタリバンは、白と黒からなる自組織の旗を政府庁舎に掲揚。18日には、ジャララバード(Jalalabad)でアフガン国旗を掲げた集会を解散させており、いかなる挑戦も容認しない姿勢を示している。

 アフガン国内では、さらに大きな抵抗の兆しも見え始めている。マスード元国防相の息子であるアフマド・マスード(Ahmad Massoud)氏は19日、「父の後を継ぐ準備がある」と宣言した。マスード元国防相は反ソビエト・反タリバン勢力を率いた人物で、2001年9月11日に起きた米同時多発攻撃の2日前に暗殺された。息子のアフマド氏は現在、カブールの北東にあり、反タリバン勢力最後の拠点となっているパンジシール渓谷(Panjshir Valley)に部隊を集結させている。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は記者会見で、「タリバンはアフガニスタン全土を支配しているわけではない」と指摘。アムルラ・サレー(Amrullah Saleh)第1副大統領とアフマド氏の抵抗勢力がパンジシール渓谷に集結しているとの情報があると語った。(c)AFP