■「中国は歴史を知っている」

 アフガニスタンは数世紀にわたり、中央アジアにおける大国の勢力拡大の野望が集中する場所となってきた。しかしその多くは、最終的に頓挫している。

 タリバンは前回の恐怖支配で見せた強硬姿勢を抑え、より穏健なイメージの再構築に努めているが、不安定な国を率いていく予測困難な組織であることに変わりはない。

 シンガポールの南洋理工大学(Nanyang Technological University)の国際研究学部でアフガンを専門とするラファエロ・パントゥッチ(Raffaello Pantucci)上級研究員は、「中国はこの歴史を知っている。しかも、全面的に信用できない政府となることも分かっている」と話す。このため、性急な投資は考えにくいという。

■プロパガンダでの勝利

 だが、プロパガンダという面では、中国はすでに利益を得ている。中国政府は公然と、米外交政策の大失態から最大の宣伝効果を引き出している。

 華報道官は17日、米政権は「不安、分裂、一家離散というひどい混乱を残した」と批判。「米国の力と役割は、建設ではなく破壊だ」と述べた。

 中国国営メディアは、米国がアフガン撤収を急いだのは、どの同盟相手に対しても都合の良い時にだけ良い顔を見せるという米国の姿勢の表れだとする論評を広く報じている。同盟相手の中には、米国の安全保障をよりどころにする台湾も含まれている。(c)AFP/Poornima Weerasekara with Aidan Jones in Bangkok