【8月16日 AFP】(更新)中国は16日、アフガニスタンを制圧した旧支配勢力タリバン(Taliban)と「友好関係」を発展させていく用意があると表明した。

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は記者会見で、「中国はアフガニスタン国民が自らの運命を独自に決定する権利を尊重する」と述べ、「アフガニスタンとの友好的で協力的な関係を引き続き発展させていく用意がある」と明らかにした。

 米国が駐留部隊を撤収する間、中国政府はタリバンとの非公式な関係を維持しようと努めてきた。米軍撤収に伴い、タリバンはアフガニスタン各地で攻勢を加速させ、15日には首都カブールを掌握した。

 アフガニスタンと76キロにわたり国境を接する中国はかねて、アフガニスタンが新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のイスラム系少数民族ウイグル人の分離独立勢力の足場となることを恐れてきた。

 しかし、タリバン幹部の代表団が先月、中国東部天津(Tianjin)で王毅(Wang Yi)外相と会談し、アフガニスタンが分離独立勢力の拠点になることはないと約束。その見返りとして中国は、アフガニスタン復興のための経済支援と投資を申し出た。

 中国は16日、大国から何世代にもわたり、戦略地政学上の重要国と見なされてきたアフガニスタンとの関係を強化できる機会を「歓迎」した。

 華報道官は記者団に対し、「タリバンはこれまで、中国と良好な関係を発展させたいとの希望を繰り返し表明しており、アフガニスタンの復興、発展に中国が関わることに期待を示している」と述べた。

 また華氏はタリバンに対し、「円滑な(権力の)移行」を実現するとともに、「開かれた包摂的なイスラム政権」の樹立に向けた交渉を行い、アフガニスタン国民と外国人の安全を確保するとの約束を守るよう求めた。(c)AFP