【8月19日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は18日、アフガニスタンから混乱を伴わずに撤退するのは不可能だとの見方を示した。米政府は、アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバン(Taliban)に対し、避難する人々の安全を確保するよう要請している。

 アフガニスタンの首都カブールの空港には、国外に避難しようと必死の民間人が殺到。米軍が時間と闘いながら退避させている。そうした中、バイデン氏は、アフガニスタンでの20年に及ぶ米国の戦争を終わらせる決定を堅持している。

 バイデン氏は米ABCニュース(ABC News)のインタビューで、「混乱を招かずに撤退する方法があるという考えに関しては、私はそんな方法はないと考える」と述べた。

 バイデン政権は以前から、米国史上最長となった戦争からの「秩序ある撤退」を約束していた。同氏は、米軍が長期化した紛争を戦うことには、もはや国益はないと主張している。

 バイデン氏はABCのインタビューで、民間人をアフガニスタンから退避させるために同国に再び派遣された数千人の米兵に関して、期限である8月31日までに撤収することを望むとしながら、今回初めて、期限後も駐留する可能性を示唆した。「米国民が残っていたら、全員を退避させるためにとどまる」と述べた。

 さらにバイデン氏は、米国が支援していたアフガニスタン政権が瞬く間に崩壊したことに驚きを示し、民間人を退避させるため、米軍にカブールの空港を押さえるよう命じた。

 バイデン氏は、タリバンは米国民の避難に協力的だと述べる一方で、駐留中に米国を支援してくれた人々の身の安全を図ることは難しくなっていると付け加えた。(c)AFP/Shaun Tandon