【8月15日 AFP】アフガニスタンの完全な軍事制圧を目前にしている旧支配勢力タリバン(Taliban)の戦闘員らは15日、首都カブール郊外に到達した。タリバンの報道官は、戦闘員らはカブール市内に入らず待機するよう命じられていると発表した。

 住民らは、タリバン戦闘員がカブール郊外の複数の地域に入るところを目撃したと語った。

 タリバン報道官はツイッター(Twitter)に、「全部隊にカブールの門で待機し、市内に入らないよう指示した」と投稿。

 また「移行プロセスの完了まで、カブールの治安に対する責任は相手側(アフガニスタン政府)にある」と指摘した。

 この発表の数時間前、タリバンは東部の主要都市ジャララバード(Jalalabad)と北部の反タリバン要衝であるマザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)を制圧。

 アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領のマティン・ベク(Matin Bek)首席補佐官はツイッターで、「パニックにならないで! カブールは安全です!」と市民に呼び掛けた。

 政府に残された選択肢は、首都を懸けた流血戦に備えるか、降伏するかの2択になったものとみられる。

 タリバンの戦闘員らはカブールから車で1時間もかからない場所まで到達しており、首都明け渡しをめぐる政府との交渉でタリバンはあらゆる切り札を手にしている。(c)AFP/Jay DESHMUKH