【8月14日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が支配地域を急拡大する中、首都カブールの米大使館は13日、タリバンのプロパガンダに利用される恐れのある機密資料を処分するよう職員に指示した。

 同大使館の管理責任者は内部向け文書で、書類や備品を焼却炉などの処分場に送るよう職員に指示した。

 文書には、「大使館や政府機関のロゴが入ったもの、米国旗、プロパガンダ活動に悪用される恐れのあるものも含めるように」と記されている。

 米国務省の報道官は、同大使館が「縮小」を実施していると説明。「世界各地の外交拠点の縮小は、人員、設備、物資などのさまざまなカテゴリーにおいて、規模を最小化するように作られた標準的な業務手順に従っている」と述べた。

 内部向け文書は、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領がアフガンからの米軍撤退を指示した後、同大使館の安全性への懸念が高まっていることを示している。

 タリバンは12日、アフガン第2の都市カンダハル(Kandahar)と第3の都市ヘラート(Herat)を制圧。首都カブールに迫っている。しかし、米国防総省は13日、カブールに「差し迫った脅威」はないとの見解を示した。

 バイデン氏は12日、兵士3000人を派遣してカブールの国際空港を確保し、大使館職員と現地人協力者を退避させると発表。必要に応じて大使館業務を同空港に移す準備を進めている。

 バイデン政権は、2012年にリビア・ベンガジ(Benghazi)の米領事館がイスラム過激派に襲撃され、大使を含む米国人4人が死亡したことで激しい反発を受けたのを念頭に、米外交官を保護するために特別な予防措置を講じるとみられている。(c)AFP