【8月14日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は13日、東部ロガール(Logar)州の州都プリアラム(Pul-e-Alam)を制圧した。同市は首都カブールからわずか50キロの場所にあり、首都への経路を事実上確保した形。タリバンは支配地域を急速に拡大しているが、米国防総省はカブールに「差し迫った脅威」はないとの見解を示した。

 地元議員はAFPに「タリバンは完全に(プリアラムを)掌握した。今は戦闘が起きていない。当局者の大半はカブールに避難した」と語った。20年にわたりアフガニスタン駐留を続けてきた米軍の撤退がほぼ完了する中、タリバンは12日、同国第2の都市カンダハル(Kandahar)と第3の都市ヘラート(Herat)を制圧していた。

 米英両政府は12日、カブールから自国の大使館職員と国民を退避させると発表。デンマークやノルウェー、ドイツなども、安全上の懸念から大使館の一時閉鎖や業務縮小を発表した。

 だが米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は記者会見で、「カブールは現在、差し迫った脅威がある環境には置かれていない」と言明。一方で、タリバンが「カブールを孤立させようとしている」ことは認めた。

 カービー氏は、タリバンの勢いについて大きな懸念を抱いていることを認めつつも、治安維持の責任は今やアフガニスタン軍にあるとの米国の立場を強調した。(c)AFP