【8月14日 CNS】このほど、中国全国初の室内公共スペース喫煙制限環境公益訴訟案の一審判決が出た。あるデパートを経営する被告企業3社は、生態環境の修復費用、サービス機能の損失費用計140万元(約2385万円)の賠償、国家級メディアと河北(Hebei)省級メディアでの公開謝罪を命じられた。

 かつて、一部の地方規制では、過渡的措置として、「室内に喫煙室を設置できる」という内容があった。しかし、人々の健康意識の高まりに伴い、公共の場所で喫煙制限が徐々に深まっていることから、関連規定の「改訂版」はこの内容を除外した。このような背景の下、事件に関与したデパートが依然としてもう今は通用しない「昔の話」に従うのは、逆行した行為で、当然処罰されるべきだ。

 従来の喫煙制限関連の訴訟活動とは異なり、この事件には二つの大きな見どころがある。第一に、訴訟の原告が直接たばこの害を受ける市民個人ではなく、「グリーン発展」の保護を自らの務めとする独立社会団体法人であることだ。第二に、訴訟は市民個人の健康権益の保護ではなく、デパート環境の汚染と不特定の人々の健康侵害を直接の対象として指摘したことだ。

 この事件の審理・判決は、単なる処罰に留まらず、「賠償」「修復」の意味合いをより多く伝えている。「侵害停止」「危険解消」「原状回復」「損害賠償」「謝罪」など原告側が提出した5項目の訴訟上の請求にかかわらず、裁判所の命令は、「生態環境の修復費用やサービス機能の損害賠償の訴訟費用の計140万元」、どちらも「汚染する人が自ら処理しないといけない」「破壊する人が自ら回復しないといけない」というエコ理念と管理原則を明確にした。

 また、この事件は「室内環境は環境保護法の範疇に属する」「受動喫煙は公衆の健康被害を社会公益の保護範囲に組み入れた」という法的整合性実践のシグナルを社会に伝えた。公共の場所に「喫煙室」や「喫煙コーナー」を設置することが適切かどうかは、人々の間でも長らく議論があり、本案件では、被告側がこれを責任回避や賠償軽減を弁護する理由としてきた。実際、たばこの煙は排出口から外に広がる。室内環境では、換気扇やエアコン、その他の装置をつけても、非喫煙者が副流煙を吸い込むことは避けられないという報告がある。『たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)』でも、100%無煙環境の要求が明示されている。中国はこの条約の締約国として、これに従う必要がある。『「健康中国2030」計画綱要』の段階的な実施に伴い、公衆の健康の保障、グリーン環境の保護のための公益訴訟権益保護事例が増えることを人々は期待しており、喫煙制限の責任を怠る「寝たふりをしている者」や「法の力を試そうとする者」に警鐘を鳴らしている。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News